表面だけの「きれいなデザイン」のサイトが最近増えてる気がする

ひどいデザインのサイトなのに売り上げがすごい会社がある。
一方、整ったデザインなのにアクセスが全くないサイトもある。

逆もまた然りですよね。

デザインに正解はありません。
では、一体どこまで突き詰めればいいのでしょうか?

「きれいなサイト」はだれでもつくれる

流行りを取り入れ、ギミックもつけた、いわゆる「きれいなサイト」は何度も作りました。
アナリティックスの数値も追っかけていたので、きれいなデザイン=評価される、は成り立たないのも知っています。

何十万、何百万とお金をかけて作ったサイトが、一日10~20PVなのをみると、いつもやるせない気持ちになりました。

それが新規の企業サイト(新規ドメイン)なら、アクセスの低さは多少はやむを得ない部分もあるかもしれない。

ただそれが、ECサイトになってくると目も当てられません。。。

きれいなデザイン≠売れるデザイン

では優れていないデザインのサイトなのに、売上がでているサイトはどうしてなのか?
※もちろん例外もあります。

私がみてきた成功事例のそれらサイトの多くは、歴史が長いという共通点がありました。

ドメインの運用歴が長く、既に何年何十年とサイトを運用してきた歴史がある。デザイン性に頼らない信頼性や実績を持っているところがGoogleに評価されていると考えています。

一方でデザインの至らなさが、親近感や親密性を表現しているところもあります。
大理石の高級オートロックマンションよりも、畳とふすまの部屋のほうが落ち着くと、、、というような感覚でしょうね。

意図してそう表現しているサイトも数多くあります。

Yahoo!が日本人に好まれて使われているところを見ると、よくわかりますよね。
誰しもがYahooに対してきれいなデザインを求めているわけじゃないってことです。

見た目のきれいさだけを追い求めない

デザインはきれいに越したことはありません。

かつてクライアントからの要望で多かった「appleみたいなサイト」というのも、それを表しているでしょう。

ただ本来追い求めないといけないデザインは、見た目の美しさだけではありません。
わかりやすい導線設計と親切な操作性、ターゲットにあわせたデザイン(配色・レイアウト・文字の可読性など)などをひっくるめたものをデザインと表現すべきでしょう。

そして、見た目の追及はサイトブランディングに合わせて行うべきでしょう。
ファーストフード店で高級感・重厚感を表現してもどうしようもないですからね。

差別化戦略でよく言われますよね。どこの軸をコンセプトにするかって。

  • 高級感(商品軸)
  • 親近感(密着軸)
  • 手軽感(手軽軸)

軸にあわせたデザインをすれば、ずれたデザインになることは避けられるでしょう。

デザインはアートじゃない

駆け出しデザイナーがやらかす代表的ものに、デザインとアートを混同してしまうことがあると思います。

先駆者がつくったきれいなサイトの表面だけを真似してしまい、なんだかサイトコンセプトとの整合性がとれなくなっちゃった、、、みたいな。

デザインの先には必ず相手がいるというのを忘れてしまうと、自己表現のアートの世界に入ってしまいます。
ウェブサイトのデザインにおいては、アートは全く別次元のものです。

経験とノウハウによって正解に、、、近いものを作る

デザインはとても難しいです。
デザイナーとして7年8年やってきましたが、何が正解かはいまだにわかりませんし、作業の手もひんぱんに止まります。

未熟ながらこれまでの経験で、多少は売れる?傾向が見えてきました。
それでも全力で作ったサイトが、まったく物が売れずに閑古鳥が鳴くっていうのもよくあります。

ECサイトに言えることですが、モノを買うには相当なエネルギーが必要だと思います。

そのエネルギーの燃焼材を作るには、感情を揺り動かすデザイン・コンテンツが必要になってきます。

それはロジカルに作られるものもあれば、そうでないものもあります。

Twitterで何も意図せずつぶやいた数百文字が、10万・20万とリツイートされるのをみると、人の感情を動かすにはまだまだ未知の要素があると思われます。

やはり最終的にはユーザ目線に立つこと、成功事例からひも解くことから、地道にデザインを試していくのが一番なのかもしれません。